「銀行が融資してくれるなら良い物件」ではない
区分マンションに限った話ではありませんが、「銀行が融資してくれるなら、良い物件なんじゃないか」と考えてしまう投資家は少なくありません。
しかし、銀行が融資するかどうかと、その物件が良いかどうかはまったく別の話です。
区分マンションに銀行が融資しやすい3つの理由
銀行が区分所有物件に融資しやすい理由は、シンプルです。
- 金額が低いから
- 修繕費などのコストが読みやすいから
- リスクが限定的だから
要するに、銀行にとって「都合のいい小口融資」というだけの話であり、投資家の資産形成を応援しているわけでも、優れた物件だとお墨付きを与えているわけでもありません。「貸しやすいから貸している」というのが実態です。
本当に怖いのは「信用毀損」
区分物件の最大の問題は、キャッシュフローが薄いことでも、節税効果が限定的なことでもありません。もっとも怖いのは「信用毀損」です。
銀行がある投資家を評価するとき、保有物件の収益性・担保評価・返済能力を総合的に見ます。ところが区分所有物件は、この銀行評価が著しく低いのが実情です。区分を買えば買うほど、融資を受ける力、つまり信用力が削られていくことになります。
一棟RC物件の評価が高い2つの理由
一方、なぜ一棟のRC(鉄筋コンクリート)物件は銀行評価が高いのでしょうか。理由は大きく2つあります。
法定耐用年数の長さ
RCは47年です。耐用年数が長いほど融資期間を長く設定でき、返済比率が改善されます。銀行にとって融資しやすい構造になるということです。
再調達価格の高さ
銀行が積算評価の根拠として重視しているポイントです。再調達価格とは、その建物を今から新たに建てるとしたらいくらかかるか、という指標です。RCは建築コストが高いため、この評価が高く出ます。銀行が評価したくなる数字が揃っているわけです。
銀行は保守的、過去のロジックを踏襲する
銀行は本質的にとても保守的な組織です。新しいロジックより、過去にうまくいったロジックをそのまま踏襲します。RCへの融資で実績を積んできた銀行は、今もそのロジックをほぼそのまま使っています。
返済比率・利回り・積算評価。これらの基準は、現在の不動産市況から見ると「ありえない数字」に映ることもあります。銀行の基準と今の市況の間には、かなりの乖離があるのが実情です。
銀行が融資してくれることと、その物件購入が自分にとって本当に良いかどうかは、まったく別の話です。本当に規模を拡大したいなら、銀行が評価する物件・構造・数字を理解することがすべての出発点になります。
まとめ
- 銀行が融資してくれることと、良い物件であることはイコールではない
- 区分マンションが融資を受けやすいのは、金額の小ささ・コストの読みやすさ・リスクの限定性という銀行都合の理由
- 区分を買い進めるほど銀行評価(信用力)が削られる「信用毀損」が最大のリスク
- 一棟RCの評価が高いのは「法定耐用年数の長さ」と「再調達価格の高さ」という2つの構造的理由
- 銀行は過去の融資実績ロジックを保守的に踏襲するため、自分で評価の仕組みを理解して戦略を立てる必要がある
レバレッジ型不動産投資を体系的に学びたい方へ


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