築古マンション投資では「予期せぬ出費」が必ず起きる
不動産投資は、計画どおりに進むことばかりではありません。むしろ、予期せぬトラブルとの戦いといっても過言ではないでしょう。
今回取り上げるのは、築古の中古一棟マンションを所有するオーナーが実際に直面した「本当に痛い出費」、給水ポンプの故障です。しかも2つの物件で同時に起きたというケースから、設備リスクとの向き合い方を考えます。
給水ポンプの役割とは
マンションにおける給水ポンプは、次のような役割を担っています。
- 水道本管から送られてきた水は、建物にある受水槽にいったん貯められる
- そこから各戸に水を供給する
- 上の階へ水を上げる際にポンプが必要になる
つまり、ポンプが止まれば、入居者は水を使えなくなります。生活に直接支障が出るため、入居者満足にも賃貸経営にも大きな影響を与える設備です。
2機あるうちの1機が停止した事例
今回のケースでは、管理会社から「給水ポンプが故障した」という連絡が入りました。幸い、ポンプは2機設置されており、1機は完全に停止、もう1機がかろうじて動いている状態でした。
しかし、本来は2機で分担している仕事を1機で行うため、残った1機には相当な負荷がかかります。その結果、次のような状態になりました。
- ポンプの作動音が非常に大きくなる
- 無理な稼働を続ければ、残った1機もいつ壊れてもおかしくない
- いわば「時限爆弾」を抱えた状態になる
連絡を受けた管理会社の担当者も不安になり、早くポンプを交換してほしいという反応で、空室募集どころではなかったとのことです。
見積もりは約150万円
交換の見積額は約150万円。すぐに払えるような金額ではありません。しかも今回は2つの物件で同時に起きており、最悪のタイミングでした。
このオーナーがポンプの故障を経験するのは、これで6機目になるそうです。それだけ、築古物件ではありふれたトラブルということです。
給水ポンプも「大規模修繕」の一部
不動産投資を始めた当初は、中古の一棟マンションを購入する際に、外壁塗装、屋上防水、エレベーターの修繕といった大規模修繕ばかりに目が行きがちです。これらは数百万円から数千万円単位の費用がかかるため、当然、事業計画に織り込む必要があります。
しかし、給水ポンプは金額としては微妙なラインでありながら、決して軽視できない大規模修繕の一部です。建物が古くなれば、こうした設備は確実に劣化し、交換時期を迎えます。築古の中古物件では、修繕リスクは常に隣り合わせです。
購入前の検討では、次の点を意識しておきたいところです。
- 外壁や屋上防水、エレベーターだけでなく、ポンプなどの設備も交換時期を確認する
- 設備が2機構成かどうかなど、故障時の影響も把握する
- 想定外の出費に備え、手元資金に余裕を持たせておく
故障の連絡を受けたときの考え方
実例では、管理会社の担当者が慌ててしまい、一刻も早い交換を求めてきました。もちろん、水が使えなくなるリスクを考えれば急ぐ理由は分かります。ただし、見積額が大きいときは、言われるままに決めるのではなく、状況を整理したうえで判断することも大切です。
- 現在の稼働状況はどうか(今回は2機のうち1機が停止し、もう1機が稼働)
- どのくらいの期間、残りの1機でもつ見込みか
- 見積内容は妥当か、内訳に不明な点はないか
- 手元資金で対応できるか、他の修繕計画との兼ね合いはどうか
こうした点を管理会社と確認しながら進めることで、慌てた判断による後悔を減らせます。
修繕費は「事業を営むうえで避けられないコスト」
150万円という出費は、正直なところ非常に痛いものです。しかし、これは不動産賃貸業という事業を営むうえで避けられないコストです。
サラリーマン大家として活動していた頃から今まで、数々の修繕を経験してきたからこそ、事業経営の厳しさと面白さを実感するといいます。トラブルが起きること自体を前提に、それに耐えられる体力を備えておくことが、長く続けるための条件です。
利回りだけで築古物件を選ばない
築古の物件は購入価格が抑えられ、表面的な利回りが高く見えやすい傾向があります。しかし、利回りの数字だけを見て購入すると、設備の更新費用といった後から発生するコストを見落としがちです。
収支を考えるときは、毎月の家賃収入から返済と運営費を引いた手残りに加えて、将来の修繕の積み立てまで含めて判断したいところです。トラブルを織り込んだうえでも成り立つ物件こそが、長く保有できる物件といえます。
まとめ
- 築古の中古物件では、設備の故障など予期せぬトラブルが起きることを前提にする
- 給水ポンプは受水槽から各戸へ水を届ける設備で、止まると入居者の生活に支障が出る
- 2機のうち1機が止まると、残る1機に負荷がかかり、音が大きくなるうえ連続故障の危険がある
- 今回の実例では、2物件同時の故障で見積額は約150万円だった
- 給水ポンプは外壁塗装やエレベーターと並ぶ、軽視できない大規模修繕の一部と捉えて計画に織り込む
- 修繕費は事業を営むうえで避けられないコストであり、トラブルに耐える資金的な余裕が欠かせない
レバレッジ型不動産投資を体系的に学びたい方へ


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