物件購入の成否は「買う時点で9割決まる」
不動産投資で物件購入が上手くいくかどうかは、買う時点で90%が決まる、と言われます。それくらい、物件選定は重要なプロセスです。だから慎重になること自体は正しい姿勢です。
ただし、慎重になりすぎると物件は買えません。
不動産の世界では、物件購入にはスピードが求められます。良い物件ほど早く決まりますし、迷っているうちにほかの人に持っていかれます。感覚としては、崖から飛び降りるのに近いかもしれません。怖いけれど、飛ばなければ先へは進めないのです。
初心者が陥る「買えないループ」
ここに、ひとつ面白い構造があります。初心者ほど物件選定が厳しくなる、というパターンです。
- スキルがないので不安になる
- 不安だから慎重になる
- 慎重になるから、なかなか買えない
これが、初心者が陥りやすい典型的なループです。
さらに、初心者のところには、そもそも良い物件情報が届きにくいという現実があります。良い物件ほど、ベテランの投資家のところに先に流れていくのが業界の実情です。初心者ほど厳しい目で選ぼうとするのに、手元に来る物件の質は高くない。なかなか酷な話です。
満点の物件を探すのをやめる
では、どうすればよいのでしょうか。ポイントは「満点の物件を探すのをやめる」ことです。
満点の物件は、そうそうありません。あったとしても、自分には回ってこないことがほとんどです。大切なのは、70点くらいの物件で動ける判断力と胆力です。足りない30点は、自分で埋めていく。そういう発想の転換が必要になります。
慎重になる理由の多くは「空室への恐怖」
慎重になる理由を分解すると、多くの場合、空室への恐怖に行き着きます。
- 空室になったらどうしよう
- うまく客付けできるだろうか
- できれば楽して賃貸経営をしたい
こうした不安があるために、物件選定の段階で過剰に慎重になってしまいます。
名取が最初に物件を買ったときは、「買ったあとは気合と努力でなんとかする」と本気で考えていたそうです。楽をしようとは思わず、買ってからどれだけ頑張れるかが自分の勝負だと思っていました。多少ボロくても、自分が動いて何とかする。その気概があれば、物件選定のハードルはぐっと下がります。
もちろん、ビジネスである以上、気合だけではどうにもならないこともあります。どこで折り合いをつけ、どこを落としどころにするか。その感覚を磨くことが、物件選定の本当の肝です。
購入前の不安は3つに集約される
不動産投資を考え始めた方からは、ほぼ必ず出てくる不安があります。
- 入居者が入らなかったらどうしよう
- 借金を返していけるのか
- 大きなリスクを背負うのが怖い
この3つです。これらは、とても健全な感覚です。しかも、始める前の方だけでなく、追加で物件を買おうとする経験者でも、同じ不安を持つ方が多いといわれます。
問題なのは不安そのものではありません。不安の正体を理解しないまま、判断してしまうことです。
不安の正体は、ほとんどコントロールできる
3つの不安は、それぞれ次のように整理できます。
- 入居の不安は、物件選びと賃貸需要の理解で、ほぼコントロールできる
- お金の不安は、融資条件と返済計画を事前に設計すれば、見える化できる
- リスクの不安は、想定されるリスクを洗い出せば、対策のないものはほとんどない
つまり、不安を感じたら、それを「分解して数字や情報に置き換える」ことが第一歩になります。漠然とした怖さのままにしておくから、判断が止まってしまうのです。
失敗する人は「はじめの一歩」を間違える
それでも失敗する人がいるのは、「はじめの一歩」を間違えるからです。よくあるのが、最初から背伸びをしすぎること。規模、金額、エリアなど、すべてにおいて自分の立場を無視した選択をすると、あとで必ず歪みが出ます。
最初の一歩で大切なのは、「成功すること」ではなく「致命傷を負わないこと」です。小さく始め、経験を積み、数字を理解しながら進む。この当たり前のことを当たり前にできるかどうかが、その後を大きく左右します。
不安は消すものではなく、使いこなすもの
不安は、正しく向き合えば自分を守るセンサーになります。消そうとするのではなく、使いこなす。その視点を持つことが重要です。
完璧を求めすぎず、それでも基準は持つ。このバランスの取り方が、物件購入の醍醐味でもあります。
まとめ
- 物件購入の成否は買う時点で9割が決まるが、慎重になりすぎると良い物件はほかの人に決まってしまう
- 初心者は「不安→慎重→買えない」のループに陥りやすく、良い物件情報もベテランに先に流れる現実がある
- 満点の物件を探すのをやめ、70点の物件で動く判断力を持ち、残りの30点は自分で埋める
- 購入前の不安(入居・返済・リスク)は、物件選びと賃貸需要の理解、融資条件と返済計画の設計、リスクの洗い出しでほぼコントロールできる
- 最初の一歩で大切なのは成功ではなく「致命傷を負わないこと」。不安は消すのではなく、自分を守るセンサーとして使いこなす
レバレッジ型不動産投資を体系的に学びたい方へ


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