法人化の目的は「節税」より「銀行への財務アピール」
物件の購入を重ね、規模を拡大していくと、多くの投資家が法人化を考え始めます。よく聞かれる理由は「節税のため」ですが、法人化を勧める一番の理由はそこではありません。銀行に対して良い財務を見せるためです。
「法人化すると銀行に本気度が伝わって融資が出やすくなる」という話を耳にすることもありますが、本気度だけで融資が下りるほど甘くはありません。実際に銀行が見るのは、あくまで財務の数字です。その数字を良く見せるための強力な手段として、法人化があるという考え方が実態に近いでしょう。
株式会社と合同会社、3つの違い
法人化する際に迷うのが、株式会社にするか合同会社にするかという選択です。両者の違いは、設立コスト・運営の自由度・社会的信用の3点に整理できます。
- 設立コスト:株式会社は定款認証が必要で最低20万円前後かかるのに対し、合同会社は定款認証が不要で6万円程度と、スピーディかつ安価に設立できる
- 社会的信用:株式会社の方が知名度が高く取引先からの信頼も得やすい一方、合同会社は比較的新しい制度でまだ認知が浅い
- 運営の自由度:合同会社は出資者全員が経営者となるため意思決定が速く、スモールビジネスやひとり法人として使う分にはシンプルで使い勝手が良い
合同会社の弱点「出資者イコール経営者」
合同会社の最大の特徴は「出資者イコール経営者」という構造にあります。株式会社であれば、出資した株主と実際に経営する取締役を分けることができますが、合同会社では出資したメンバー全員が経営者になります。株主総会での決議が不要な分、メンバーが集まればその場で決められるという速さがメリットです。
コストだけで選ぶと後悔することも
「よくわからないし、コストを抑えて合同会社でスタートする」という選択をする人は多く、初期費用の安さは一見正解に見えます。しかし、合同会社にはデメリットもあるため、後から株式会社へ組織変更するケースも少なくありません。その場合、手間とコストの方が結果的に高くつくことがあります。
それなら、最初からある程度のコストを払ってでも株式会社にしておく方が、銀行のウケも良くなり、結果的にハイリターンを狙える戦略になることもあります。もちろん合同会社が悪いわけではありませんが、「とりあえず安いから」という安易な理由だけで選ぶのは避けたいところです。
まとめ
- 法人化の一番の目的は節税ではなく、銀行に良い財務を見せること
- 株式会社と合同会社の違いは「設立コスト」「社会的信用」「運営の自由度」の3点
- 合同会社は「出資者イコール経営者」構造で意思決定は速いが、株式会社より社会的信用は劣る
- コストの安さだけで合同会社を選ぶと、後から組織変更でかえって手間とコストがかかることがある
- 物件購入を重ねていく戦略なら、最初から株式会社を選ぶ方が銀行評価の面で有利になることもある
レバレッジ型不動産投資を体系的に学びたい方へ


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