節税しすぎると融資が受けにくくなる
不動産を購入していると、どうしても利回りの話に意識が向きがちです。表面利回りが何%か、実質利回りはどうか。もちろんそれは大切な指標ですが、それと同じくらい、場合によってはそれ以上に重要なのが「規模」という視点です。
決算書で一番大事なのは、売上から経費を引いた利益です。利益が出れば納税が発生するため、多くの人は節税を目的に経費を積み増し、利益を圧縮しようとします。これ自体は合法的な行為ですが、節税しすぎると大きな問題が起きます。融資が受けにくくなるのです。
銀行は融資審査で決算書を確認します。利益がほぼゼロの決算書は、融資を断られる最大の理由になります。特に本業でちゃんと利益が出ているかを示す営業利益は、銀行が重点的に見る項目です。節税に力を入れすぎて利益を薄くし、次の融資が取れなくなった投資家は少なくありません。節税を頑張った結果、融資が通らなくなるのでは本末転倒です。納税は、物件を買い続けるための「参加料」だと考えておくべきでしょう。
キャッシュ買いは本当に安全か
融資を使わずに現金で買えば、リスクがないという考え方があります。確かに借金のリスクはありませんが、借金リスクを抑えただけで、すべてのリスクを抑えたわけではありません。キャッシュ買いの最大のリスクは、手元の現金が減ることです。
2025年度の企業倒産は2年連続で1万件を超えたというデータがあります。倒産の多くは、売上が落ちたからではなく、手元のキャッシュが尽きたことが原因です。不動産を所有することは事業を営むのと同じであり、急な修繕や空室が続いたときに手元現金がなければ対応できません。不動産の強みは、融資でレバレッジをかけられることです。株やFXと違い、金融機関から長期・低金利で融資を引けるのは不動産ならではの利点です。
売上規模が小さいと融資相談すら受け付けてもらえない
キャッシュ買いはレバレッジを効かせていない分、売上規模が非常に小さくなります。この売上規模の小ささが、物件を買い続けるうえでの障害になることがあります。銀行は返済能力を見る前に、「この会社と取引するに値するか」を判断します。
家賃3万円の区分を1戸持っているだけなら、年間売上はわずか36万円です。融資を使って一棟マンションを買った法人とは、銀行の見る目線がまったく異なります。売上規模が社内基準に届かないと、担当者がそもそも稟議を上げられないケースもあります。
法人は作ることより育てることが大事
資産管理法人も同じです。売上があり、利益があり、納税している。この積み重ねが法人の信用になります。法人は「作ること」よりも「育てること」の方が重要なのです。利回りも大切ですが、規模も意識して物件を選ぶ視点を持っておきましょう。
まとめ
- 節税で利益を圧縮しすぎると、決算書の弱さが原因で融資が受けにくくなる
- 納税は物件を買い続けるための「参加料」と捉える
- キャッシュ買いは借金リスクを避けられる一方、手元現金の減少というリスクを抱える
- 売上規模が小さいと、銀行の社内基準を満たせず融資相談すら受け付けてもらえないことがある
- 法人は作ることより、売上・利益・納税を積み重ねて育てることが信用につながる
レバレッジ型不動産投資を体系的に学びたい方へ


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